基地の販売機で買ったアップルグミとレモングミを水で流してこんでいるのを、タイミング悪くロイドに見られてしまった。

「身体壊すぞ、普段からそんなもんばっか食べてたら」
「この身体になってから、食事は必要最低限で問題なくなった」
「それでもダメだ。…… 嫌なんだよ、身近な奴が、当たり前を忘れていくの」

 ロイドは怒ったまま、奥の簡易キッチンに走っていってしまった。身近な少女が再生の旅を続けていくにつれて、人らしい感覚を忘れていった事でも思い出してしまったのだろう。身近な存在が人らしさを忘れることの悲しみは知っていたはずなのに。忙しさ、長く歳を重ねすぎた怠惰のような生、大切な人の救済に自己を投げうつ事。それらは地層のように積み上がって、時にユアンを自己ネグレクトのようにさせる。

「ほら、作ったから食え」

 差し出されたサンドイッチには肉が多く、トマトが挟まれたものは見当たらない。

「豪快な具だな」
「肉食ってれば元気になるって!」

 懐かしい友の面影のある味好み、差し出された気づかい。元気が出たのは栄養のおかげだけではあるまい。