少年の姿のまま時を止めた男は、その小さな体躯のお陰で忍び込むのも簡単なのだろうか。そんな事を思いながら、愛した女の面影を感じる整った顔立ちに向かって構えたのを、ミトスは一蹴した。
「今日は戦う気はないよ。ちょっと昔の仲間と話がしたくてね」
勝手にテーブルに着いてティーポットから紅茶を飲み、くつろぎだしたミトスは、悔しげに吐き出した。
「アイツは僕の影だ」
誰と言わないのに赤い服の剣士の顔が浮かぶ。純粋な対立か、利用か。意味は違えど同じ人間を追っているから、言葉を尽くさずとも伝わる。
「影じゃなくちゃならない。僕がアイツを踏みつけて、主人であるべきだ」
「果たしてそう上手く事は運ぶだろうか」
ミトスは自分に言い聞かせているが、ユアンの考えは違った。ミトスとロイドは同格だ。英雄の気質が良く似ている。困難を成し遂げようとする力は現在、拮抗している。そんな相手が、ただの影として踏まれるだけに留まるだろうか。
「ロイド・アーヴィングはお前の鏡だ。舐めてかかるなら鏡の向こうから刺されて砕けるのは貴様の方かもしれんぞ」
「うるさいな!」
ミトスが苛立たしそうにテーブルを殴ると、カップが机から落ちて、砕けた。果たして砕けるのはどちらなのか。ユアンは主役にはなれない。愛する姫さえも、自分一人では救い出せない。けれど主役を俯瞰して見る見物役というのも、きっと面白い事だろう。
「今日は戦う気はないよ。ちょっと昔の仲間と話がしたくてね」
勝手にテーブルに着いてティーポットから紅茶を飲み、くつろぎだしたミトスは、悔しげに吐き出した。
「アイツは僕の影だ」
誰と言わないのに赤い服の剣士の顔が浮かぶ。純粋な対立か、利用か。意味は違えど同じ人間を追っているから、言葉を尽くさずとも伝わる。
「影じゃなくちゃならない。僕がアイツを踏みつけて、主人であるべきだ」
「果たしてそう上手く事は運ぶだろうか」
ミトスは自分に言い聞かせているが、ユアンの考えは違った。ミトスとロイドは同格だ。英雄の気質が良く似ている。困難を成し遂げようとする力は現在、拮抗している。そんな相手が、ただの影として踏まれるだけに留まるだろうか。
「ロイド・アーヴィングはお前の鏡だ。舐めてかかるなら鏡の向こうから刺されて砕けるのは貴様の方かもしれんぞ」
「うるさいな!」
ミトスが苛立たしそうにテーブルを殴ると、カップが机から落ちて、砕けた。果たして砕けるのはどちらなのか。ユアンは主役にはなれない。愛する姫さえも、自分一人では救い出せない。けれど主役を俯瞰して見る見物役というのも、きっと面白い事だろう。