おやすみ。愛おしげに耳元でささやかれた時、脳みそが溶けるかと思った。

「さっきまで私の下で泣きわめいていたくせにいい度胸だな」
「まてまてまてまて! 寝るあいさつしただけだろ!?」

 もう一回組み敷いてやったら年相応の反応が来たので、満足して身体を離す。

「なんだってんだよ」
「悪かった。耳元で甘い言葉を囁かれて、たまらない気持ちになった」

 少年の身体を引き寄せて、抱きしめる。正直これでも欲がまた湧きあがりそうになる。愛おしく胸元に額を擦りつけて来るせいだ。余裕がないのを見透かされるのもいやなので、堪え性のない自分は理性で殴りつける。

「いっとくけど、今日はもうダメだぜ?」
「わかっている」

 明日は絶対にロイドより早く起きて、耳元でそっと、もっと甘い声でおはようと言ってやる。決意を込めて、ユアンは目を閉じた。